夢のマイホーム…一戸建ての購入を検討する際、「家族が快適に暮らせるように、こんな家に住みたい!」と、夢はふくらみますよね。
家の形や外装、子ども部屋やリビングのクロス、キッチンの設備など、理想の家を考え出すとわくわくしますが、主婦にとっては毎日の家事がより便利になれば、負担も軽減されるのでないでしょうか。
毎日休みなく続く家事…これをより便利にするためには、もちろん使い勝手のよい設備がほしいものですが、それだけではなく、家事の効率が上がる間取りにすることも重要なポイントです。
では、家事のなかでも大きな割合を占めるものといえば、何を思い浮かべますか?
家族の食事を作ったり、洗濯をしたり、掃除をしたりと忙しく家事をこなす毎日で、主婦が頻繁に関わるのは「水に関わる家事」ではないでしょうか。
家の中であちらこちらと何度も行き来するよりも、頻繁に使う場所を集めた間取りにすると、移動する距離が短縮され、家事はぐっと効率よくなりますよ。
そこで今回は、一戸建ての水回りに注目して、どのような配置にするとよいのか、理想の間取りとNGな間取りを具体的に挙げながらご紹介します。
現在お住まいの家では、家事をするためにどのような動きをいつもしているのかを思い浮かべながら、ぜひ今後の参考にしてください。
家事と言っても、1日の中で主婦がこなさなければいけない仕事は、種類も量もたくさんあります。
せっかく一戸建てを購入するなら、家事の効率を上げて負担を軽くできる間取りにしたいですよね。
いつも忙しく家の中で動いている主婦の負担が軽くなれば、それだけ時間にも気持ちにも余裕ができ、家族とゆっくり過ごす時間も増えるのではないでしょうか。
そこで、新築の一戸建てを購入する際には、水回りを主婦の動きに合わせた配置にすることが重要なポイントになります。
では仮に、水回りが分散された一戸建ての場合、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
主婦が家の中で動く道筋を、「家事動線」という言葉で表現します。
主婦の家事のほとんどが水回りに関わっているため、設備の配置が分散された一戸建ての場合、家事をする主婦は、こなす仕事によって家のなかを何度も行ったり来たりと無駄な動きが多くなります。
たとえば、洗濯機をまわしながら料理をする、なんて日常よくあることですし、
子どもがいる家庭なら何回も洗濯をしなければいけないでしょう。
主婦はキッチンに立つ時間が長いものですが、洗濯機をまわしながら料理をしている最中に、洗濯機がある場所まで往復しなければいけませんよね。
ちょっとしたことなのですが、水回り間の距離が長ければ長いほど家事動線が延び、家事の効率が下がってしまうのです。
毎日こなさなければならない家事が多い主婦にとって、1つの家事をしながら別の家事ができれば、もっとうまく時間を使えて、ゆとりのある生活ができますよね。
キッチン・浴室・洗面所・洗濯機置き場など、水を使う設備には生活排水ができるように排水管が設置されています。
しかし、一戸建ての間取りを考えるときに水回りを分散してしまうと、建築時に余分な配水管が必要になり工事も複雑になるので、その分建築コストが増えてしまうのです。
では、新築の一戸建てを購入する際、水回りをどのような配置にすれば無駄な動きが減り家事がはかどるのでしょうか。
効率よく快適に暮らせる一戸建ての水回り配置のおすすめパターンを紹介します。
家事をしながら別の家事をするには、水回りを集中させたほうが使い勝手がよいですが、もっとスムーズに動けるように、家事動線が一直線になる配置パターンがおすすめです。
キッチン・浴室・洗面所・洗濯機置き場などを一直線で結ぶ配置にすれば、家事から家事へ真っすぐ移動するだけなので、無駄な動きが少なくなり、よりスムーズに家事をこなせます。
さらに、家事動線の先に勝手口があれば、買い物から帰ってキッチンへとすぐに荷物を運べたり、キッチンで出たゴミを出したりと、さまざまな家事が効率よくこなせます。
また掃除の面でも、水回りが集まっていれば一度に進められるので楽ですよ。
家事のなかで、洗濯機をまわして、終わった洗濯ものをバルコニーに干すという動作も、ほぼ毎日ありますよね。
子どもがいる家庭や大家族なら、それを複数回繰り返すのではないでしょうか。
洗い終わった洗濯ものをカゴに入れて、バルコニーまで運ぶ…この動作は意外と面倒なもので、2階のベランダに干している家庭なら、階段を上り下りしなくてはいけないため、なおさら負担が大きいです。
そこで、洗濯機置き場からすぐにバルコニーへ出られるような動線を作れば、時間短縮にもなり負担も軽くなります。
これなら、複数回洗濯してもすぐに干せるので、ずいぶん洗濯が楽になりますよ。
最近の一戸建てでは、洗面所・浴室・洗濯機置き場が集中している家がほとんどですが、これらの設備とキッチンを隣接する配置がおすすめです。
料理をしながら洗濯機をまわしたり、お風呂のお湯を入れたりと、これらの設備が近くにあれば2つの家事を同時進行しやすくなり、たとえば入浴中の家族から、「石鹸とって!」なんて呼ばれても、キッチンから一瞬で移動できますよ。
主婦が頻繁に使う水回り間の距離が短ければ短いほど、移動する時間が短縮され、家事の効率が上がるのです。
家事がはかどる間取りにするために、無駄な動きをしてしまいがちな悪い配置も知っておくと、よりイメージがわきますね。
では、おすすめできないNG配置とは、具体的にどのようなものなのでしょう。
水回りを家の中心に配置すると、家の中に湿気がこもってしまいます。
部屋の中に湿気がこもると、ジメジメと不快なだけでなくカビやダニが繁殖し、体調にも影響します。
また湿気は家の劣化にもつながるので、家の中心に湿気の元となる設備を配置するのはNGです。
水回りはできるだけ、家の端に集めるように配置するとよいでしょう。
リビングでのんびりしているときや、寝室で休んでいるときに、トイレの音が聞こえるとあまり気分の良いものではありませんし、臭いも気になります。
さらに来客があったときには、トイレに入るのも気が引けてしまいますよね。
新築当初は壁も新しく、遮音性にも優れているため音が気にならないかもしれません。
しかし、年数が経つにつれて建材や壁も劣化していき、遮音性も低くなってくるので、新築の設計時から、トイレをリビングや寝室の隣に設置しないことをおすすめします。
家の南側は日当たりも良く、1日のなかでも部屋の温度や湿度の差が大きくなる場所です。
高知市は国内でも南に位置し、夏は暑く雨も多い土地なので、日光が当たる南側は、日中は室内でも温度も湿度も高くなります。
たとえばキッチンを南側に設置すれば、冷蔵庫に入れない食品の保存状態が悪くなるでしょう。
また浴室や洗面台など湿気やすい設備も、室内の温度が高ければ結露が発生したり、カビが増殖したりと、不快な状態になってしまいます。
これらの環境を考えると、水回りを南側にもってくるパターンはNGと言えるでしょう。
家の南側には、水回りではなく、リビングや子ども部屋など、明るい光が差し込む環境が好ましい部屋を配置してみてはいかがでしょうか。
主婦にとって、毎日の家事はできる限り効率よくこなしたいものです。
外に働きに出ている主婦ならなおさら、仕事が終わって帰宅してからの家事が時間短縮できれば、気持ちに余裕もでき、家族との団らんの時間も増えるのではないでしょうか。
新築の一戸建て購入を検討している方は、ぜひ家の水回りの配置に注目して、家事動線がスムーズになる間取りの設計をおすすめします。