日本でも、リフォームをする人が増えてきました。
多くの日本人は、自分好みの住宅にするためにリフォームをすることがほとんどですが、海外では異なる事情でリフォームするのが一般的です。
日米では、リフォーム事情が大きく違い、それぞれに大きな特徴があるようです。
日米のリフォーム事情の違いは、その価値観による違いが大きく関係しています。
この記事では、日米のリフォーム事情の違いについて解説していきます。
最後まで読めば、リフォームに関する考え方が、少し変わるかもしれません!
アメリカのリフォーム事情は、日本のそれとは大きく異なります。
まずは、アメリカのリフォーム事情には、どのような特徴があるのかチェックしてみましょう。
日米のリフォーム事情で、一番大きな違いは、アメリカでは売主がリフォームするということです。
アメリカで売主がリフォームする理由は、家を高く売ることが目的です。
日本では、一般的に中古住宅を購入した買主が、自分好みの住宅にするためにリフォームします。
日米では、リフォームに関する発想がまったく異なることがわかります。
また、アメリカでは、平均すると7年に一度のタイミングで家の買い替えをする人がほとんどです。
キャリアアップや家族構成の変化などにより、住み替えを行うのが一般的なのです。
そのため、家は将来的に売るものであるという考えが根付いています。
汚れやキズ、設備の故障などがある家をそのまま売っても、その資産価値は低く、高くは売れません。
少しでも高く売れるようにと、いろんなところをきれいな状態にリフォームをしてから、売りに出すのですね。
これはアメリカ人らしく、合理的で理にかなっています。
・ホームステージングも活用
アメリカでは、家の印象をアップさせるために、リフォームとあわせて、ホームステージングも頻繁に活用されています。
ホームステージングとは、物件に家具や照明などをデコレーションすることです。
家具などが配置されていれば、住宅のイメージがわきやすく、より売れやすくなるといわれています。
アメリカでは、家は投資のための資産であるという考えが浸透しています。
ライフステージにより、家の買い替えを行うのが一般的ですが、それは住んでいた家を投資にまわすということになるのです。
家を資産と考えるから、よりその価値を高めるために、リフォームにお金をかけるというわけです。
日本では、住んでいる家を、20年間一度もリフォームしていないという人はたくさんいるでしょう。
家が資産だという考えがあれば、何年間もの間、一度もリフォームしないなんていうことはありえません。
日本では、家は資産という考えが薄く、どちらかというと、家は消費と考えている人が多いのです。
また、日本の住宅は、アメリカと比べると土地が狭いため、家も小さめになってしまいます。
これも、日本では家が資産と考えにくい要素のひとつです。
家を資産と考えるかどうかが、日米のリフォーム事情の違いに深く関係しているといえるでしょう。
住宅に関しては、日本人は新築を好む傾向が強いです。
リフォームされた築年数の経ったきれいな家よりも、狭くても新築を選ぶ人が多いようです。
日本人が新築を好むのにも、さまざまな事情が関係しているのです。
日本人が新築が好きな理由を探ってみることにしましょう。
日本人の住宅の移り変わり事情として、まずは狭い賃貸アパートに住み、それから少し広めのマンションや一軒家に住み替え、最終的に自分の持ち家を持つという流れが一般的です。
日本では、家は一世帯限りで消費するものという考えで購入することが多いため、中古住宅として売りに出しても、高く売れることは難しいのです。
家は消費するもので、資産という考えがないため、アメリカのように家が資産になりにくいといえるでしょう。
<築年数が長い=ボロボロの家というイメージ>
日本では、家を投資の商品(資産)と考えていないため、維持管理をしっかりと行わない人が多いです。
そのため、急に老朽化が進んでしまうのです。
日本では、築年数が経った家は、改築もリフォームもされていない、ボロボロの家だというイメージが、日本人に定着してしまっているのですね。
ボロボロの家だと、ますますその価値は下がっていってしまい、売れなくなってしまうでしょう。
狭い敷地に4階建ての家を建て、階段の上り下りが大変な家など、住みにくく、一般的な市場の価値観にそぐわないような物件が多いのも、家を資産と考えていない要因のひとつといえるでしょう。
日本の一般的なサラリーマンは、新築の自分の持ち家を持つということが、人生のゴールであるという風潮があります。
会社の同僚たちも、そろって皆新築のマイホームを手に入れているため、その流れで自分もそろそろ新築の家を建てようかなと思うようです。
みんなと同じことをすることが美徳と考えられる日本人の文化も、新築が好きな理由のひとつといえるでしょう。
リフォームされた築年数の経った家を購入するということは、他の人と違うことになるため、日本人には、やはり新築の方が好まれるのです。
日本では、公正な不動産価格は、公示地価や基準地価などの土地の価格が基準となります。
同じものを再建築したらどれくらいのコストがかかるのかということを基準に、築年数も価値の要素として加えられます。
賃料水準や利回りなどをもとにして、将来的にその不動産が生み出す価値を割り出して、算出されます。
アメリカの場合は、日本と同様に立地や取引事例などにより、不動産価格を算出します。
さらに、それとは別に、寝室やバスルームの数といった物件の設備や、修繕の必要があるかなど、細かくチェックして、その不動産の価格に反映させます。
つまり、日本では建物の状況まで見ませんが、アメリカでは、寝室の数や修繕の必要性があるかまで評価するという、大きな違いがあるのです。
最近は、日本でもDIYする人が増加傾向にあり、趣味としても人気が高まっています。
DIYグッズを手に入れるところといえば、ホームセンターです。
日本もホームセンターの数や、品揃えも、どんどん増えてきていますね。
しかし、アメリカのホームセンターと比較すると、まだまだ比べものになりません。
アメリカでは、日本でDIYが流行するもっと前から、DIYは一般的です。
アメリカのホームセンターの規模はとても広く、品揃えも充実しています。
プロの建築業者が使用するような商品も、アメリカのホームセンターでは販売されています。
家をリフォームするグッズやアイテムが、たくさん販売されています。
アメリカでは、自分でできることは、できる限り自分でDIYする傾向があります。
このホームセンターの規模でも、日米のリフォームに対する考え方の違いが反映されているといえるでしょう。
ネットのサイトや、YouTube動画サイトで、さまざまなDIYのやり方がアップされています。
工作的な簡単なDIYから、壁紙の貼り方や、フローリングといった家のリフォームに関するDIYまで、いろんなものがわかりやすく紹介されています。
ネットでDIYのやり方を学び、ホームセンターで必要なツールや材料、道具をそろえて、実際にDIYに挑戦する人が増えてきています。
やり方さえわかれば、案外簡単にリフォームができることも多く、どんどんDIYにハマっていく人も多いようですね!
家のリフォームも、自分でできそうな箇所は、DIYすることで、コストも抑えることができるのです。
日米間では、リフォームに対する考え方や価値観が大きく違うことがわかりました。
アメリカ人と日本人のライフスタイルの違いをはじめ、国民性や、土地の広さなどが、大きく関係しているようです。